2014年9月28日日曜日

キミの新たな旅立ちに幸あらんことを。

モルギーが、9/26にザルツブルグで記者会見を開き、現役引退を公式に発表しました。

公式サイトDiary

理由はやはり、1月のクルム/バートミッテンドルフのフライング予選での落下事故に起因するもの。怪我については完治してフィジカル面は大丈夫だが、ジャンプを飛ぶ際に沸き起こる恐怖心が最後まで取り除けなかったことが決定打となった様子。

夏頃から徐々にトレーニングしたり、ジャンプもしたりしている写真を彼のフェイスブックで何度も見ていたので、順調そうだなと思っていたのですが、精神面は非常に苦しんでいたのですね。その上で一番選択したくなかった辛い決断をしたモルギー…。その決断を下した時、彼がどんな心境だったかと思うと胸が詰まって言葉が出てきません。

ソチ五輪を終えてから今季終了のアナウンス時、モルギーがこれから将来のこともゆっくり考えるよ、と言ってた時から、「彼からどんな発表が出てきたとしても、冷静に受け止めなければ…」と常々思っていたんですけど…。

やっぱりダメでした。

Twitterには発表直後にサラッと色々と書きましたが、その後様々なスキージャンプ関連の方のフェイスブックやTwitterで引退報道の反応を見ていくうちに涙が溢れて…。



昨シーズンは久しぶりにティティゼー・ノイシュタットでワールドカップ優勝した翌日の試合で着地時に転倒して顔面から突っ込む形で負傷。この時は手術→片手にギプスをはめた状態で、スキーシューズはコーチに紐を締めてもらう等してサポートを介しながらもジャンプ週間前に復帰、見事総合2位に入り、ソチ五輪に向けても好アピールと思った矢先のクルムでの悪夢の大落下事故に見舞われ暗転。頭と肺を損傷し、五輪への道は絶望視とも言われ、とにかく病院や彼側のオフィシャルの発表が出るまでは気が気でなく、最初の彼からの声明がフェイスブックで出た時は、それまであった緊張の糸がぶつっと切れて安堵したと同時に泣き崩れたのをよく覚えています。

事故から1ヶ月後、”無事に帰ること”を目標にソチ五輪に出場。

この時から既に恐怖心が出てきていて、苦しかったようです。
それでもソチ五輪に出たのは五輪が今季彼の一番の目標だったこと、そして常勝オーストリアチームリーダーとしてのプライドがそれを乗り越えさせたのではないかと思います。今思い返せば本当に凄いよね…。大落下事故から1ヶ月で、ジャンプ台に戻って飛んでるんだもんな。そして団体で銀メダルもとってさ…。よくやったと思いますよ。

ちょっと前のモルギーのフェイスブックに、メンテ中のクルムのジャンプ台の下で撮った写真があって、そこに「あれから数ヶ月たったけど、まだ鳥肌が立つ」とコメントが添えられてて、これはもしかしたら厳しいかもしれないな…という予感がちらっと頭によぎったのですが、やっぱりあたってしまいましたね(>_<)。

前にもちょっと話したことありますが、私がモルギーファンになったのは2009年リベレツの世界選手権NHで転倒して優勝を逃した時、悔し泣きしながら フェンスを叩きつけていた光景がずっと忘れられなかった事が発端でした。気がつけば彼の魅力的で明るくフレンドリーなキャラクターに夢中になって、更に チームオーストリア全体も好きになって、スキージャンプも本腰入れてライストやJスポで中継を見るようになって…という感じになったので、今のスキージャ ンプファンの私があるのもみんなモルギーのおかげと言ってもいいくらいです。

彼で印象に残ってるのはやっぱり2011年オスロ世界選手権NHで優勝した時ですかねぇ。リベレツのリベンジ返しというか、喜びっぷりを見ててとても嬉しかったので。

踏み切ったらどこまでも飛んでいきそうな彼の元気の詰まったジャンプは、いつ見てもダイナミックでカッコ良かったです。一度生でそのジャンプを見たかったな…。

そして、オーストリアチームの中ではシュリーリとのコンビが一番好きでした。
彼らの並びを見ているとまるで本当の兄弟みたいで、微笑ましくて。
これからこの二人が一緒に試合会場にいないのが想像できないし寂しい。・゚・(ノД`)・゚・。
シュリーリのFBには胸に来るものがありすぎて一番泣きました・゚・(ノД`)・゚・。

これからのことはまだ決めてない、とのことですが
好奇心旺盛のモルギーのこと、興味あるものが出て来ればとことんチャレンジしてほしいと思いますし、勿論、スキージャンプ関係のお仕事にも関わってほしいと思いますね。そして、愛するリリーちゃんのよきパパであってください。

引退セレモニーもいつか行われると思いますが、場所としては ジャンプ週間中のインスブルックか、もしくは彼が一番好きな台だって言ってたビショスフホーヘンになるのかなあと思ったり(さすがにプラニッツァまではのびのびにならないとは思う(^_^;))

悲しいけれども、キミの新たな旅立ちに幸あらんことを。

トーマス・モルゲンシュテルン選手、あなたのファンでいられてとっても幸せでした。
ソチ五輪団体2本目の笑顔で締めくくったジャンプは、絶対忘れません。

本当にお疲れ様でした、そしてありがとう。

Good Luck,Morgi!!!